雇入れ時の健康診断の趣旨は、常時使用する労働者を雇入れた際における適正配置、入社後の健康管理に役立てるために実施するものです。
つまり、採用選考時に実施することを義務付づけたものではなく、当然のことながら応募者の採否を決定するために実施するものでもありません。
採用の採否における判断材料として用いらないよう留意しましょう。
しかし、仮に、雇い入れ時の健康診断で、重篤な病気が見つかった場合、採用内定を取り消すことはでき得るものなのか、判断に迷うケースもあるでしょう。
この場合、勤務開始日の前日を基準として、勤務開始日から働くことができるかどうかを考えます。
労務提供が不可能であると判断される場合には、採用内定を取りけることも可能であると考えられます。
ただし、医師の診断等に基づき、慎重かつ十分な検討をした上で判断する必要があるといえるでしょう。