看護師離職対策を重視した職場環境改善マニュアル(実践版)

1.看護師離職の主な原因(前提整理)
まず、マニュアルに明記すべき共通認識です。
主な離職要因
• 人間関係(上司・先輩・医師との関係)
• 業務量・夜勤・残業の負担
• 評価されない/不公平感
• 相談できない環境
• ライフステージ(結婚・出産・介護)への非対応
👉 **「給与だけでは防げない」**のが最大のポイント
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2.離職対策の基本方針(必須記載)
基本方針(例文)
• 看護師が安心して長く働ける環境を整備する
• 個人に責任を押し付けず、組織で支える
• 早期離職の予兆を見逃さない
※ 管理職向けに「離職は個人問題ではなく管理課題」と明確に書くのが重要
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3.人間関係・ハラスメント対策(最重要章)
3-1 現場で多い問題
• 指導と叱責の区別が曖昧
• 忙しさによる言葉の荒さ
• 「昔はこうだった」という価値観の押し付け
3-2 マニュアルに入れる具体策
• 感情的指導の禁止
• 人前での叱責禁止
• 指導は「事実+改善点+フォロー」で行う
例:明文化しておく文言
看護業務上の指導は、人格否定や威圧的言動を伴わず、業務改善を目的として行う。
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4.業務負担・夜勤・残業対策
4-1 業務の見える化
• 看護業務リスト作成
• 「本当に看護師がやるべき業務か」の再検討
(物品管理・事務作業など)
4-2 夜勤・シフト配慮
• 夜勤回数の偏りチェック
• 連続夜勤の制限
• 子育て・介護中職員への配慮ルール明文化
👉 「配慮は個別判断」ではなく、ルール化
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5.評価・承認の仕組み(離職防止に直結)
よくある不満
• 頑張っても評価されない
• 評価基準が不明確
マニュアル記載例
• 評価項目(接遇・安全・協調性 等)
• 定期フィードバック面談(年2回以上)
• 小さな貢献も言語化して伝える文化
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6.相談・フォロー体制(辞める前に拾う)
6-1 相談しやすい仕組み
• 直属上司以外の相談先明示
• 匿名相談可
• 「相談しても不利益にならない」明記
6-2 早期サインの例(管理職向け)
• 欠勤・遅刻が増える
• 申し送りで発言が減る
• 夜勤交代を頻繁に希望
👉 これをマニュアルにチェックリスト化すると非常に有効
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7.新人・中堅看護師の定着対策
新人
• プリセプター制度
• 「一人で抱えさせない」明文化
• 失敗を責めない文化
中堅
• 責任集中の防止
• 役割と裁量の明確化
• キャリア相談機会
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8.退職防止のための面談ルール
定期面談
• 入職3か月・6か月・1年
• 年1回以上の継続面談
面談で必ず聞く項目
• 業務量
• 人間関係
• 続けられそうか
• 改善してほしい点
※「辞めたいです」と言われてからでは遅い
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9.マニュアル運用のポイント
• 看護師長・主任向けに**別冊(管理職編)**を作ると効果大
• 形だけのマニュアルにしない
• 年1回必ず見直す
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実務経験上の結論
看護師離職対策は
• 制度 2割
• 人間関係・運用 8割
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